福井県敦賀市は古くから昆布の加工で栄えた街で、昆布職人や昆布を扱う商店などが地場産業の一端を担ってきました。
私も老舗の昆布会社で経験を積み、平成27年に独立、平成29年に「敦賀昆布株式会社」を設立しました。
自社で加工技術を持ち、原材料の仕入れから加工・商品化まで一貫して行える「手すきおぼろ昆布」に特化。質の高い本物の商品づくりを強みとし、オンリーワンの存在をめざして成長を重ねてきました。

令和5年には、手すきおぼろ昆布の実演、および昆布製品を販売する直営店をオープン。店名を「敦賀昆布 おぼろや」とし、オリジナル商品の開発にも注力、ブランド力の強化を図っています。
昆布職人が在籍し、店頭で手すきおぼろ昆布の実演・体験ができる店舗は近隣にはなく、観光客や地元客へのPR効果を発揮。
市場動向を探るアンテナショップとしての機能も果たし、来店客の生の声を商品づくりにも反映しています。
手すきおぼろ昆布は職人による手加工で作られているのが大きな特色ですが、昆布職人の数は年々減少傾向にあります。
店頭での実演や体験を通して昆布職人の仕事に触れる機会を作り、興味を持つ人材の発掘につなげたいというのも、私たちの思い。
また、就労支援事業所を関連会社に持ち、昆布製品の梱包・出荷などの軽作業を通して一般企業での就労が難しい方に働く場を提供。
さまざまな形で人材の活用に取り組んでいます。
敦賀の名産品である手すきおぼろ昆布を守り、伝えていくために。そして、地元敦賀の活気につなげていけるように。
私たちはこれからも、人とのご縁を大切にしながら、多彩な形で昆布文化を発信してまいります。